メモ:ANAに投資するより飛行機リースに投資か、というメモ

エアラインはさまざまな理由によって常に破綻のリスクを抱えている業界です。近年までは歴史的な原油安を背景にエアラインの多くが多額の利益を計上していますが、それでもエアラインの破綻は珍しいことではありません。2017年はアリタリア航空、エアベルリン、モナーク航空が破綻しています。エアラインの業界特性として、ローカル経済の影響を強く受けること、規制緩和により参入障壁が下がっていること、過当競争により収入単価が減少していること、高い固定費と高コストな運営費、変動の激しい燃油価格などが挙げられ、その結果資本コストすら賄えない低い収益性に苦しむところが少なくないのです。

機種を選択し、どのような機材構成で事業を行うかは航空会社において重要な意思決定の一つです。エアライン経営における最重要戦略は路線戦略と機材戦略であり、それに続くオペレーション戦略(コスト削減)の3本柱が経営を左右するといっても過言ではありません。

購入選択権のついた日本型オペレーティング・リース(JOLCO-Japanese Operating Lease with Call Option)などでは、以前は短期間のリース料減免とリース期間の延長などによるリストラが行われることが多かったようですが、今回はJOLCO機体も破産手続きを通じた機体返還が起こり、担保付きローンを提供している金融機関が担保処分をしても、ローン元本回収まで資金が回らず、投資家は投資元本が毀損するという案件が出てくることが想定されます。 一方で、そうしたJOLCOや購入選択権のついていない日本型オペレーティング・リース(JOL)で、担保権付きローンを金融機関から買い取るプライベートエクイティーファンドが現れました。A350といった最新鋭機材の投資家持ち分30%程度を担保権行使手続きで毀損させ、機体を割引で購入するのと同じ効果を得て、運航する航空会社と再リースを交渉するという新しい方法です。日本のあるリース会社が機体所有会社に米国法的整理法を申請させて争っており、注目の案件となっています。

少子高齢化への対策
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